FF5をプレイした人なら必ず使うであろう強ジョブの一つ、「魔法剣士」。
「魔法剣」は初心者でもわかりやすく、効果も非常に強力なアビリティである。
そんな魔法剣士だがFF5においてなぜこんなに強いのか?
ここでは更に深掘りして理論的に解説していきたい。
基礎スペック
- 習得
- 水のクリスタル
ステータス
力 | 体力 | 素早さ | 魔力 |
---|---|---|---|
38 | 38 | 38 | 25 |
8位 | 9位 | 2位 | 9位 |
装備
- 装備可能武器
- 短剣・剣
- 装備可能防具
- 盾・兜・重装鎧・軽装鎧・小手
習得アビリティ
Lv | 名前 | 効果 | 必要ABP | 累計ABP | 力補正値 | 魔力補正値 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 魔法バリア | 瀕死状態で自動的に魔法バリア(シェル) | 10 | 10 | - | - |
2 | !魔法剣LV1 | LV1までの魔法剣を使える | 20 | 30 | 28 | 15 |
3 | !魔法剣LV2 | LV2までの魔法剣を使える | 30 | 60 | 30 | 17 |
4 | !魔法剣LV3 | LV3までの魔法剣を使える | 50 | 110 | 32 | 19 |
5 | !魔法剣LV4 | LV4までの魔法剣を使える | 70 | 180 | 34 | 21 |
6 | !魔法剣LV5 | LV5までの魔法剣を使える | 100 | 280 | 36 | 23 |
7 | !魔法剣LV6 | LV6までの魔法剣を使える | 400 | 680 | 38 | 25 |
「魔法剣」
Lv | 名前 | 消費MP | 効果 |
---|---|---|---|
1 | ファイア | 2 | 炎属性弱点の敵に防御無視2倍ダメージ |
1 | ブリザド | 2 | 冷気属性弱点の敵に防御無視2倍ダメージ |
1 | サンダー | 2 | 雷属性弱点の敵に防御無視2倍ダメージ |
2 | ポイズン | 1 | 毒属性弱点の敵に防御無視2倍ダメージ・猛毒付与*1 |
2 | サイレス | 1 | 沈黙付与 |
2 | スリプル | 2 | 睡眠付与 |
3 | ファイラ | 5 | 炎属性弱点の敵に防御無視3倍ダメージ |
3 | ブリザラ | 5 | 冷気属性弱点の敵に防御無視3倍ダメージ |
3 | サンダラ | 5 | 雷属性弱点の敵に防御無視3倍ダメージ |
4 | ドレイン | 6 | 与ダメージ分のHP吸収 |
4 | ブレイク | 8 | 石化付与 |
4 | バイオ | 3 | 毒属性弱点の敵を即死or防御無視4倍ダメージ |
5 | ファイガ | 15 | 炎属性弱点の敵を即死or防御無視4倍ダメージ |
5 | ブリザガ | 15 | 冷気属性弱点の敵を即死or防御無視4倍ダメージ |
5 | サンダガ | 15 | 雷属性弱点の敵を即死or防御無視4倍ダメージ |
6 | ホーリー | 10 | 聖属性弱点の敵を即死or防御無視4倍ダメージ |
6 | フレア | 30 | 攻撃力+100・相手防御力を1/4として計算 |
6 | アスピル | 1 | 敵の現在MPの1/4分のMP吸収 |
「魔法剣士」の戦術
実は「魔法剣」を使わなくても強い
「魔法剣」の優秀さに目を奪われがちだが、実は魔法剣を使うことは必須ではない。
ステータスがどの値も高く、「忍者」と同等の素早さ38で手数を出す事が出来るのだ。
ただしピクセルリマスターにおいて『”装備の重さ”は同値の素早さマイナスと同等』なので、重装備しすぎると「バーサーカー」並の鈍足になってしまい手数が減ってしまうので注意が必要だ。
武器も強い
武器も進行度相応の剣が順次手に入るため、攻撃力の値はパーティ内でも常に高値でキープされている。
後述の「両手持ち」も含めてある程度高いダメージが保証されているのだ。
雑魚戦で毎回相手に合わせて「魔法剣」を発動すると一手も二手も損なので、通常攻撃を活用しよう。
最高の相棒「両手持ち」
物理アタッカーにとって物理に補正がかかるアビリティは喉から手が出るほど欲しいところだが、「二刀流」や「乱れ撃ち」は累計ABPが多すぎるし、「バーサク」も癖が強く常用しにくい。
「格闘」も悪くはないが1.2~1.3倍程度の上昇効果とそれなりの補正にしかならない。
その点「両手持ち」は盾を捨てるデメリットがあるものの、攻撃力2倍は非常に魅力的だし、何よりも風のクリスタルから「ナイト」を育てる転職プランで簡単に入手可能だ。
体力があるのである程度は被弾に強く、更に魔法剣「ドレイン」でフォローも効く。
高い攻撃力で雑魚を素早く散らす、という前衛に求められる仕事を高いレベルで遂行してくれる。
ジョブマスター後も強い
道中で逃げずに丁寧に育て続けた場合、大体は第三世界に入って少しした頃にジョブマスターを迎えるだろう。
この場合は転職プランとして「ナイト」か「忍者」へのジョブチェンジがオススメだ。
「ナイト」ならステータスが一回り高くなる上に武器が騎士剣へとパワーアップするし、「忍者」もほぼ同じ使い勝手で「佐助の刀」で防御をフォローしつつ二刀流魔法剣が使える。
寄り道として「踊り子」や「青魔道士」、「薬師」を経由しても良い。
これらのジョブは力が低いため「魔法剣」の力補正値が上手く機能する。
ついでに魔力も上がるので「踊る」で発動する「二人のジルバ」「ミステリーワルツ」もちょっとだけパワーアップするぞ。
サポートも強い
魔法剣「スリプル」はFF5では半永久的に無力化という強力な状態異常である”眠り”を付与出来る。
魔法剣「サイレス」も「全てを知るもの」や「カロフィステリ」といった厄介なボスを完封可能だ。
魔法剣「ブレイク」に至っては「オーディン」等効く相手には問答無用で即死を狙える。
しかもこれらの効果はピクセルリマスター版なら回避されてミスだろうが0ダメージだろうがお構いなしに発動する。
上記の高い素早さと合わせてシナジーを形成しているのも高評価ポイントだ。
一応弱点もある
ここまではメリットをたくさん紹介してきたが、万能な「魔法剣士」も弱点が2つほど。
一つはフォローが効くとはいえ防御をかなり捨てざるを得ない事。
盾・鎧・兜・小手と重装備するとせっかくの素早さが殺されてしまい、「ナイト」や「バーサーカー」と大差ない手数しか出なくなってしまう。
素早さを活かそうと思ったら鎧も兜も着込んでいられない。
「両手持ち」で盾も捨ててしまっているので、この状態で強烈な打撃が続くと簡単に寝転がってしまうだろう。
せめて「エルフのマント」で回避率くらいは上げておきたい。
必要に応じて火力(DPS)と防御を天秤にかけなければならないのだ。
もう一つは魔法剣「フレア」習得まで弱点を突けないボス相手に打点を伸ばせない事。
長老の木で戦うクリスタル4体「封印を守るもの」や第二世界最後の「エクスデス」などが該当する。
これらは弱点も搦め手も通用せず、「ドレイン」くらいしか有用な魔法剣がない。
また発狂モードが怖いボスでもあるので、撃ち漏らすと総崩れになる恐れがある。
この時だけ以前紹介した薬師にジョブチェンジしても良いかもしれない。
82k3.hatenablog.com
なぜここまで「魔法剣士」は強いのか
結論から言うと「魔法剣士」が強いのはFF5のシステムととことん相性が良いからである。
弱点を突きやすい
FF5に限らずFFシリーズにおいて、敵の弱点は初見プレイでも意外と簡単に判別出来る。
「ライブラ」や「みやぶる」といった魔法やアビリティで直接調べる事も可能だし、一度戦えば「モンスター図鑑」で詳細を見る事も出来る。
そして『ゾンビ系は炎に弱い』『機械系は雷に弱い』といったシリーズ伝統のモンスター系統による弱点設定がある。
これによって敵の見た目から弱点属性を推測する事が比較的容易なのだ。
「魔法剣」は入手直後から三属性弱点を突けるため高火力が実現可能、ゆえにシステムと相性が良いのである。
火力計算式と相性が良い
FF5において火力は「ステータス」「攻撃力」「倍率補正」の『3つの値』のバランスで構成されており、最終的に「レベル」が倍率付与する形になっている。
「レベル」はパーティ内で大きく変わる事はなく、ジョブチェンジによる変動もないため『3つの値』が火力において大事になっている。
例えばよくオススメされる『青魔法忍者』だが、素の忍者のままでは魔力が低いためせっかくの高攻撃力な忍術*2を活かせずラ系呪文と大差ない火力しか出せない。
そこで「青魔法」を付けると魔力が底上げされバランスが良くなるため、第一世界から破格の火力を出す事が出来るのだ。
ところがムーアの村でガ系呪文を購入すると、「黒魔道士」の高い魔力にガ系呪文の高攻撃力、忍者は装備出来ない属性ロッド装備による1.5倍の倍率補正により火力で黒魔道士に逆転されてしまう。
このように「ステータス」「攻撃力」「倍率補正」の『3つの値』がバランス良く高くなる事がFF5で火力を出す上で重要なのである。
改めて「魔法剣士」を見てみると、力の値は戦士系として十分な数値で、攻撃力は優秀な剣と「両手持ち」でトップクラス。
弱点属性を「魔法剣」で突く事により強力な倍率補正を実現している。
見事に『3つの値』がどれも高水準なのだ。
「魔法剣士」は火力計算式とも相性が良いのである。
強力な武器がほぼ全て無料で手に入る
- ミスリルソード
- 「アイスソルジャー」から盗む
- 珊瑚の剣
- 「クレイクロウ」から盗む
- 古代の剣
- ロンカ遺跡の宝箱
- 眠りの剣
- これだけ店売り限定
- グレートソード
- バル城で拾える
- エンハンスソード
- イストリーの滝の宝箱、次元の狭間・森エリアの宝箱*3
- ルーンブレイド*4
- イストリーの滝の宝箱、「スティングレイ」から盗む
そこまで必須でもない「眠りの剣」以外無料で入手可能。『剣』自体が非常に優遇されている事がわかる。*5
パーティの他メンバーも剣を使うなら購入等で複数本入手する必要があるが、基本的には魔法剣士用に一本あれば十分だろう。
わかりやすく効率の良い転職プラン
風のクリスタルから「ナイト」を育てれば魔法剣士の相棒とも言える「両手持ち」が手に入り、魔法剣士マスター後は「魔法剣」の倍率補正はそのままに、「ナイト」にジョブチェンジで防御力を取り戻しつつ「ステータス」と「攻撃力」を確保する事が出来る。かのNTT出版の攻略本でも紹介されていた、SFC時代から続く黄金パターンである。Ver1.0.7から攻撃力が回復するようになった「ブレイブブレイド」片手に魔法剣と洒落込むのも乙だろう。
単純な攻撃力以外にもナイトには「かばう」のジョブ特性があるため、瀕死の仲間を守りつつ魔法剣「ドレイン」で自己再生を行う事が出来る。パーティの盾役としての価値も上げられるため、初見プレイ時には非常に役立つだろう。
さらに「忍者」へのジョブチェンジなら「佐助の刀」で防御面をフォローしつつ「二刀流」で手数を出す事が出来る。魔法剣「ファイガ」といった属性による即死攻撃の場合左手によるターゲットが別の敵に切り替わるため、魔法剣と二刀流は非常に相性がいいのだ。*6
左手は「アサシンダガー」で火力ついでに即死を狙ってもいいし「盗賊のナイフ」でアイテムをぶんどっても良い。わずかながら魔力も上がるのでついでに忍術の火力も上げることも可能だ。
魔法剣士に限った話ではないが、「すっぴん」「ものまね士」以外のジョブはアビリティが1つしか付けられないというFF5のシステム上、複数のジョブをマスターして「二刀流」や「乱れ撃ち」等を習得しても使い分けこそ出来ても大きく火力が上がる事はない。
その点でも使いやすく強力なアビリティ「魔法剣LV6」と「ナイト」「忍者」といったジョブとシナジー効果を発揮してラスボスまでクリア出来てしまう「魔法剣」は、効率の良い攻略という点でも非常に相性が良いのだ。
他につけるべきアビリティ
「格闘」
魔法剣士に対する力の加算値は12。上昇量はそれなりだが盾を捨てないため、「両手持ち」より安定したタンク役になれる。
「カウンター」
手数が増えるので「眠りの剣」と組み合わせる事で睡眠をばら撒く事が出来る。追加効果のない剣でも魔法剣士自体が普通に強いので単純に攻撃回数が増えるだけで十分強い。手数が重要な魔法剣「スリプル」「ブレイク」とも好相性。魔法剣「ドレイン」と組み合わせて減った先から回復、なんて戦法も。ただし盾発動時にカウンターが誘発しないのでその点は注意。
「かばう」
こちらも魔法剣「ドレイン」と組み合わせてパーティの盾役となる戦術。魔法剣Lv4習得後は「ナイト」がやる方がいいだろう。
「飲む」
「力の薬」「英雄の薬」でさらなる自己強化。第二世界でも余裕でカンストダメージが叩き出せる。魔法剣含めて準備にターン数がかさむので雑魚戦は「ヘイストドリンク」だけにしておこう。
「リボン装備」
「リボン」の状態異常耐性と高いステータス加算は魔法剣士に安定感を与えてくれる。魔法剣士の優秀なステータスにさらに上乗せしてくれる、攻守に優れた組み合わせ。
「乱れ撃ち」
物理最強アビリティその1。
敵が複数だとターゲットが散るので雑魚戦よりはボス戦向け。盾を捨てないので安定感が上がる。雑魚相手に使う場合は状態異常、特に魔法剣「ブレイク」をばら撒く戦法にも向いている。
「二刀流」
物理最強アビリティその2。
「乱れ撃ち」と違い確実に狙ったターゲットを攻撃出来るので、厄介な相手から確実に殲滅したい雑魚戦向け。雑魚相手に有効な「ルーンブレイド」を振る際の消費MPも「乱れ撃ち」の半分で済む。
魔法剣士のアビリティと相性の良いジョブ
魔法バリア
HPが1/8の状態の時に魔法を半減するバリアを張る。発動条件が厳しい上に効果も所詮は「シェル」だし、だったら本家白魔法「シェル」や青魔法「マイティガード」の方が他の魔法も使える分使い勝手もよい。わざわざ貴重なアビリティ枠を割いて使うかと言われると些か疑問なアビリティ。
魔法剣
- ナイト、忍者
- 上記の通り非常に相性が良い。魔法剣ナイトは初心者向けのバランス重視型、魔法剣忍者は慣れた人向けの火力重視型と言える。
- 青魔道士
- 力を上げつつ剣や盾を装備出来る特性を活かせる。「ゴブリンパンチ」に魔法剣が乗らないので前列で戦う必要はあるが、「赤魔道士」等の盾が装備出来ないジョブよりはマシ。
- 踊り子
- 力を上げつつ「踊る(剣の舞)」にはない属性魔法剣による防御無視をつけられる。「チキンナイフ」とも相性がいいので簡単にカンストダメージが狙える。
- シーフ
- 素早さを活かして状態異常魔法剣の手数を出せる。魔法剣「ドレイン」なら多少強引だが前列での継戦能力を上げられる。
- 薬師
- 力を上げつつ「飲む」による自己強化を活かせる。
- 時魔道士
- 「クイック」があるので魔法剣のターンロスを発生させる事なく魔法剣「スリプル」等でサポートが出来る。「クイック」→魔法剣「アスピル」→MP吸収、とクイック自体の燃費の悪さも解消出来る。
まとめ
高水準でわかりやすい強さを誇るジョブ、魔法剣士。
改めてその強さを体感してみてほしい。