白魔道士。それはRPGにおける重要な立ち位置たるヒーラーの役割を持ったジョブである。
このジョブ自体は最序盤から使えるのだが、『ある地点を境にジョブの真価が覚醒し、評価が激変する』という非常に面白い特性を持っている。
ある地点とは何なのか。なぜ評価が激変するのか。
当記事では誰もが知ってるようで意外と知られていないジョブ『白魔道士』を掘り下げた有効活用法を紹介したい。
基礎スペック
- 習得
- 風のクリスタル
装備
- 装備可能武器
- 杖、槌矛
- 装備可能防具
- 魔法帽子、ローブ、腕輪
多くのジョブが装備可能な短剣が装備不可となっている。
習得アビリティ
Lv | 名前 | 効果 | 能力補正 | 必要ABP | 累計ABP |
---|---|---|---|---|---|
1 | !白魔法LV1 | LV1までの白魔法を使える | 魔力39 | 10 | 10 |
2 | !白魔法LV2 | LV2までの白魔法を使える | 魔力41 | 20 | 30 |
3 | !白魔法LV3 | LV3までの白魔法を使える | 魔力43 | 30 | 60 |
4 | !白魔法LV4 | LV4までの白魔法を使える | 魔力45 | 50 | 110 |
5 | !白魔法LV5 | LV5までの白魔法を使える | 魔力47 | 70 | 180 |
6 | !白魔法LV6 | LV6までの白魔法を使える | 魔力49 | 100 | 280 |
7 | MP10%アップ | MP最大値が10%アップ | - | 300 | 580 |
「白魔道士」の戦術
覚醒前の白魔道士
風のクリスタルで白魔道士を入手してから、しばらくはイメージ通りの白魔道士が続く。このイメージ通りというのは即ち、回復や補助でパーティにはいて欲しいが、戦闘中にやる事がなくてサボっている状態である。大した威力も出ない「フレイル」で殴ってみたり「コンフュ」でお茶を濁す程度ぐらいしか出来ないという、サボりまくる白魔道士は誰もが経験した道だろう。
残念な事にこの体たらくは非常に長く続くため、FF5の白魔道士はサボりを解消するための攻撃用アビリティが必須、というイメージも同時に持つ人も多いだろう。ロッドが装備出来ず属性強化が得意ではないため、意外と「黒魔法」や「召喚」による攻撃魔法が上手く使えないのも特徴的だ。
ようやく訪れる一度目の『覚醒』
サボる白魔道士のイメージを覆す覚醒は第二世界も終盤、エクスデス城で「暗黒魔道士」から「裁きの杖」をレア盗みする事でようやく訪れる。この裁きの杖は白魔道士にとって革命的で、隊列無視で攻撃力90*3の聖属性を持つ魔法攻撃として扱う事ができる。何が革命的かと言えば後列攻撃やエクスデスの聖属性弱点に刺さる等もそうなのだが、やっと『自前で』戦えるようになった、という一言に尽きる。
前述の通りこれ以前のサボりまくる白魔道士にとって攻撃用アビリティは必須。高レベルの「白魔法」を使うにも習得するにも白魔道士になる必要があるが、サボらせないためにも貴重なアビリティ枠は攻撃的な何かに割くしかなかった。しかし裁きの杖入手で状況が一変。ただの「戦う」でそれなりのダメージが出せるので攻撃用アビリティをつける必要がなくなり、サポート目当てに「青魔法」や「操る」をセットしたり、「盾装備」や「リボン装備」等で防御を固める事も出来るようになったのだ。
さらに訪れる二度目の『覚醒』
二度目の覚醒はフォークタワーにて最強の白魔法「ホーリー」を入手する事で訪れる。このホーリー、実はFF5において最も火力の出る魔法攻撃となっている。ホーリーは攻撃力241の聖属性攻撃で一見すると黒魔法「フレア」の攻撃力254+魔法防御大幅貫通に負けてるように見えるが、同時期に手に入る封印されし12の武器「賢者の杖」で1.5倍、攻撃力はなんと361まで強化出来る。つまり単体攻撃限定ではあるものの、ホーリーを入手した瞬間に最強の魔法アタッカーは白魔道士となるのだ。厳密に言えば時空魔法「メテオ」の方が総ダメージが大きくなりやすいのだが、メテオは与ダメが不安定、ターゲットもバラける、MP消費が激しいと使い勝手が悪い。燃費がよく連発可能な属性強化ホーリーはこれ一つで雑魚もボスも無双できる、と言えるほどの超性能なのである。
聖属性は吸収される?
聖剣「エクスカリバー」が聖属性吸収されるイメージからか、ホーリーも聖属性吸収に阻まれるイメージがあるかもしれない。
しかしホーリー入手後に遭遇しうるホーリーが通用しない雑魚は、
- ホワイトフレイム
- オルカト
- シング
の三種類のみ。通用しないボスも
と、さほど多くない。通用しない雑魚三種はいずれも「コンフュ」が効くし、こいつらは仲間に任せて他の雑魚相手にホーリーで攻撃していればよい。シング相手なら「賢者の杖」でそのまま殴れば必中攻撃で簡単に殲滅出来る。
ボスに関しては事前に準備が可能なのでホーリー以外の攻撃手段を用意しておけばいいし、ボス戦における白魔道士は仕事も多いのでサボって困る事もないだろう。このように白魔道士におけるホーリーを主軸にした戦法は意外と汎用性が高い。
エクスカリバーは良くも悪くも「戦う」しかないため戦術が切り替えにくいが、魔法は選択肢が豊富なため属性吸収にも対応出来る、という面もあるだろう。
転職プランとしての白魔道士
以上のように白魔道士は「裁きの杖」「ホーリー」とゲーム後半に真価を発揮する大器晩成型なジョブといえる。という事は序盤から積極的に起用してサボらせたり中途半端な火力を出すよりは、裁きの杖入手辺りから本格的に使い始めて、最強火力のホーリーを使い倒すのが効率的だろう。とはいえ白魔法を全く使わずに攻略するのも(エンカウントオフ等のブースト機能を使わないなら)難しい。ここでは一例ではあるが転職プランを紹介していく。
第一世界
第二世界
- 習得した攻撃用アビリティで白魔法LV4を目指す
- 白魔法をセットした竜騎士で「竜剣」、もしくはナイトで「盾装備*4」等の自己サポート用アビリティを目指す
- エクスデス城で「裁きの杖」を入手したら習得した「青魔法」「竜剣」「盾装備」「リボン装備」等を白魔道士で活かしつつ、聖属性弱点のエクスデスと戦う
第三世界
相性の良いアビリティ
覚醒前
攻撃手段を獲得するためのアビリティをつけるのが基本となる。
- 格闘
- とりあえずつけておけば前列で殴る事が出来る。風水士で地形を入手するまではお世話になるだろう。
- 地形
- 風水士入手後すぐに習得可能な上に無消費で回復用のMPも温存出来るし高い魔力も活かせる。白魔道士ならとりあえず地形、という位には大安定の組み合わせ。オススメ。
- 召喚LV3
- 聖属性以外の属性強化が苦手な白魔道士だが、「大地の衣」で「タイタン」の地属性だけは強化出来る。「ゴーレム」、LV4だが「カーバンクル」等のサポートも属性強化が関係ない。
- 両手持ち
- 「フレイル」や「モーニングスター」を両手持ちすれば後列からもそれなりに威力のある攻撃が出来る。フレイルはともかく、モーニングスターはすぐに裁きの杖が手に入るので活躍の期間は極めて短い。
- 弓矢装備
- 後列武器で性能も高い上に力も素早さも上がる。強いて言えばこれ以外の狩人アビリティが白魔道士にとって美味しくない。
- 鞭装備
- こちらも後列武器で力も上がるが素早さは据え置き。魔獣使いをマスターすれば特典ですっぴんの体力が上がるので、「鞭装備」習得に注ぎ込んだABPが無駄になりにくい利点も。
- 時空Lv4
- 「コメット」さえ使えれば攻撃手段としては及第点。「コメット」がないとサボりまくる。
- 歌う
- 攻撃はほぼ諦めて「愛の歌」による足止めに専念するスタイル。「レクイエム」と合わせてアンデッド絶対殺すマンになれる。
- 色目
- 攻撃はほぼ諦めてドキドキによる足止めに専念するスタイル。白魔道士と「ラミアのティアラ」が元々相性良いので効く相手には100%効くのが強み。
- 踊る
- 「フレイル」や「モーニングスター」と合わせて。威力は「剣の舞」が出ても「両手持ち」と同じぐらいだが、必中だったり「ミステリーワルツ」の吸収が美味しいのが強み。
覚醒前後どちらでも
- 青魔法
- サポート寄りのアビリティで、覚醒前だと「エアロラ」「エアロガ」「ミサイル」「針千本」等が主力。どれも攻撃手段として難があるので覚醒前のオススメ度は低め。覚醒後は文句なしに強アビリティ。
- 竜剣
- 魔力依存攻撃でMP回復だけでなく、逆吸収してくるアンデッドに対しても「ケアル」「レイズ」「賢者の杖」といった解答を既に持っているので相性◎。HP吸収の攻撃力自体は低いので、覚醒前は「地形」等の攻撃用アビリティと適時付け替える運用がオススメ。
- 召喚LV5
- 「バハムート」は無属性だし「リバイアサン」も強化出来ないようなもの。属性強化が苦手な白魔道士でも性能を発揮出来る。「シルドラ」は短剣「エアナイフ」が装備不可なせいで強化出来ないので相性イマイチ。
- ロッド装備
- 第三世界まで来ればギルにも余裕が出る頃なので、『ロッド折り』も気軽に使っていける。使うたびにギルを消費するようなものだが「銭投げ」よりは安く済む。
覚醒後
- 操る
- 裁きの杖入手~ホーリー入手前の微妙な期間は強力なサポートに寄せるのも良い選択肢だ。
- 警戒、先制攻撃、ダッシュ、隠し通路、落とし穴回避、ダメージ床
- 色々あるお役立ちアビリティを付ける係にもなれる。
- 竪琴装備
- 低燃費なホーリーの手数を増やせる。弓矢装備のほぼ下位互換だが習得が簡単。
- 盾装備
- 『小人盾』を使えば物理に無敵の要塞と化す。物理攻撃に強いヒーラーは利点が多く、特に「イージスの盾」が高性能なので装備可能になる恩恵は意外と大きい。
- リボン装備
- ステータスが強化出来る上に豊富な状態異常耐性が得られる「リボン」をヒーラーが装備出来るメリットが非常に大きい。他の魔道士系ジョブよりも「金の髪飾り」を装備する必然性が薄いので頭装備が競合する心配もない。
- ちょこまか動く
- 覚醒後は竪琴装備や弓矢装備のほぼ上位互換。「盗む」等も良いのだがシーフが白魔法と相性イマイチなので習得は面倒。
- 連続魔
- 『踊る赤魔道士』や『召喚赤魔道士』で早期習得した場合、ホーリー入手直後から無双っぷりが加速する。
白魔道士のアビリティと相性の良いジョブ
白魔法(ホーリー入手前)
白魔法自体に魔力補正がある上に魔力が関係ない魔法も多い。そのため戦士系ジョブでもそれなりに扱える。
- ナイト
- FF4セシルのようなパラディン運用。自身に「プロテス」や「ブリンク」をかければ「守り」を使わなくても「庇う」による被弾を減らせる。
- 忍者
- 「投げる」による巻物投げの火力を伸ばせる。攻撃は最大の防御、と言わんばかりの速攻殲滅で相対的にMPも節約出来る。
- 竜騎士
- 生存性の高い「ジャンプ」と白魔法は相性が良い。覚醒前白魔道士にとって垂涎ものの「竜剣」も自然に習得出来るだろう。
- 侍
- こちらも「白刃取り」で生存性が高い。「風斬りの刃」による「かまいたち」の火力も魔力補正によって上げられる。
- 黒魔道士、召喚士
- 白魔道士よりちょっぴりだけ魔力が高い。
- 時魔道士
- 「コメット」さえあれば。ないとサボる。
- 青魔道士
- 悪くはない程度。こちらもサボりがち。
- 魔獣使い
- 「鞭装備」を目指しつつ「電撃鞭」の火力も上げられる。後列ジョブで体力もそこそこ高いのでタフで頼れるヒーラーになれる。
- 風水士
- 『地形白魔道士』と全く一緒の使用感だが、こちらの方がステータスでちょっぴり上。エクスデス城等のピンポイント起用で役立つ組み合わせ。
白魔法LV6(ホーリー入手後)
強化出来るジョブこそ少数だが、強化しなくてもサポート役にしては十分すぎる火力が出せる。もちろん強化出来るならホーリー無双が出来る。
- 時魔道士
- 魔法のエキスパートを目指すなら必ず通るルート。「メテオ」は雑魚相手には使い勝手が悪いし「コメット」も時期的に火力不足。「賢者の杖」装備可能ジョブで燃費の良いホーリーはちょうど良い攻撃手段。
- 赤魔道士
- 「賢者の杖」が装備可能で素早さがあり『ロッド折り』で属性攻撃も可能なので攻撃面では白魔道士よりも強力。ただし防御面では下がる。「連続魔」習得は大変だが「ホーリー」さえあれば苦にならないだろう。
- 薬師
- 一応杖が装備出来る、という程度。ジョブ特性や習得するアビリティが白魔法と被っている点も含め相性が良い訳では無い。耐久性は高い。
- 風水士
- 杖が装備出来ない…と見せかけて「ルーンのベル」で聖属性が強化可能。次元の狭間序盤の遺跡エリアでボスと戦わずに入手出来るので早取りも難しくない。「地形」による全体攻撃とホーリーによる単体攻撃を使い分けられる器用さも◎。「大海溝」攻略前に用意できるとフィールド・戦闘共に大活躍してくれる。
- 魔獣使い
- ジョブマスターですっぴん・ものまね師の体力を32に底上げしつつ「ファイアビュート」の火力も上げられる。ホーリー関係なくやっぱりタフで頼れるヒーラーに。
- 竜騎士
- 「竜剣」取得済ならあと400ABPですっぴん・ものまね師の体力が39に。稼ぎを意識するなら一考の余地あり。
- バーサーカー
- 500ABPで体力49は破格。白魔法自体は使えなくとも「ルーンアクス」の火力を大きく上げられる。
- ものまね師
- 「連続魔」「白魔法LV6」「時空LV6」でクイック連続魔の最強魔法アタッカー。「時空」を「召喚LV5」に変えれば全体攻撃もサポートも回復も可能な万能魔道士に。
MP10%アップ
効果がしょぼい上にマスター特典も皆無なため、白魔道士マスターは最後まで後回しにしてよい。ピクリマには予言士もいないし。
まとめ
白魔道士クルルは可愛すぎるので思う存分愛でよう。