FF5屈指の地味ジョブ、薬師。
その分かりにくさとアビリティ「調合」の強力さから、ABP稼ぎだけで済まされてしまい存在をスルーされがちなジョブである。
しかしその仕様を理解した上で考察してみると、意外と面白いジョブであることがわかる。
当記事では随一の地味ジョブ『薬師』を掘り下げた有効活用法を紹介したい。
基礎スペック
- 習得
- 土のクリスタル
ステータス
力 | 体力 | 素早さ | 魔力 |
---|---|---|---|
26 | 30 | 27 | 20 |
13位 | 8位 | 9位 | 13位 |
全22ジョブの中で見事に全ステータスとも中位である。
装備
- 装備可能武器
- 短剣・杖・槌矛
- 装備可能防具
- 戦闘帽子・魔法帽子・ローブ・軽装鎧・天使の白衣
習得アビリティ
Lv | 名前 | 効果 | 必要ABP | 累計ABP |
---|---|---|---|---|
1 | 薬の知識 | 消費アイテムの効果2倍 | 15 | 15 |
2 | !調合 | 戦闘中に2つのアイテムから新しい薬を調合 | 30 | 45 |
3 | !飲む | パワーアップドリンクを飲む | 45 | 90 |
4 | !治癒 | 色々な状態を回復 | 135 | 225 |
5 | !蘇生 | 戦闘不能の仲間を回復 | 405 | 630 |
「飲む」専用ドリンク
名前 | 効果 | 重複 | ギル |
---|---|---|---|
ヘイストドリンク | ヘイスト | × | 110 |
巨人の薬 | 現在HP・最大HP2倍 | × | 110 |
プロテスドリンク | プロテス | × | 110 |
力の薬 | 武器攻撃力+20 | × | 110 |
英雄の薬 | レベル+10 | ○(レベル99でストップ) | 110 |
「薬師」の戦術
「薬師」の正しい認識
軽装装備、補助向けな習得アビリティ、その見た目や名前からサポート要員としての印象を受けがちだが、ジョブとして見ると全く違うと断言出来る。結論から言うと、「薬師」は物理アタッカーである。その理由はジョブアビリティ「飲む」にある。
「飲む」とは何か
全5種類のパワーアップドリンクを飲む事が出来るようになるアビリティである。ドリンクは店売り消耗品なので、実質ギルを払ってパワーアップしている*1と考えていい。しかしながらぶっちゃけ雑魚戦において毎度ドリンクを飲むなんて戦法はまどろっこしい。忍者なら薬師が飲んでる間に忍術なり二刀流なりで一掃出来る。
しかしボス戦ではどうだろうか。複数の薬を飲む事で攻撃面でも防御面でも大きなブーストを受ける事が出来る。「プロテス」「HP2倍」で物理からも魔法からも高い生存力が得られ、「ヘイスト」「武器攻撃力アップ」「レベル増加による攻撃倍率アップ」によって重たい一撃を高速で放つ事が出来るのだ。しかも「英雄の薬」による攻撃倍率アップはレベル99まで重ねがけ可能だ。これは本職前衛職顔負けの前衛適正である。
ちなみに魔法も出来なくはないが魔力へのブーストが得られる薬がなくロッドも装備出来ないため、攻撃魔法よりは物理の方が適正がある。
つけるべきアビリティ
基本的に力が貧弱かつ武器も大したものが担げないので、○○装備系で補ってやると良い。具体的には「格闘」「鞭装備」「弓矢装備」「斧装備」「剣装備」辺りか。命中率を補えるラミアのティアラが装備出来るので、斧や弓矢といった命中率が100未満の武器を上手に扱う事が出来る。「英雄の薬」で加速度的に攻撃力が上がる「格闘」の素手攻撃は特に相性最高である。短剣が両手持ち出来ないのでモーニングスター限定になるが「両手持ち」も面白い。チェンジで前列に出すひと手間が省ける分、後列武器とは相性が良いからだ。
HP2倍と相性の良い「ホワイトウィンド」を始め、HP依存で火力が増える「吸血」「自爆」「????」が使える「青魔法」も好相性。英雄の薬で青魔法の低い命中率を補えて、ついでに魔力も上がるので「癒しの杖」によるサポートも出来る。
追記23/04/03
ver1.0.8からダンシングダガーにもラミアのティアラによる「剣の舞」置き換え効果が機能するようになった。「魔法剣」をアビリティにセットして高火力ロマン砲を狙うのも面白いだろう。
意外と侮れない「薬の知識」
前述の通りジョブコマンド「飲む」のおかげで薬師は軽装の割に非常に打たれ強い。元々ある程度の体力がある上に専用装備の「天使の白衣」が魔法回避の高い優秀防具で、更にドーピングまで済ませた薬師はかなり寝転びにくく、パーティの中でも最後まで生き残りやすい。そこで「薬の知識」による回復力アップが生きてくるのだ。
ハイポーションによる回復が500から1000に底上げされ、それだけで白魔道士が使う単体ケアルラを上回る回復量が出せる。そのため中盤戦で味方の「レイズ」「フェニックスの尾」から薬師がハイポーションで回復すれば体勢が一気に立て直せるだろう。貴重なエリクサーを節約出来るし、何よりもアビリティなしにヒーラーの立ち回りが出来るため、薬師を物理カスタマイズしてもパーティ内で安定した仕事が出来る。生存力に優れる薬師の立ち回りとしても非常に合理的だ。地味だがエーテルの回復量が2倍になるのも嬉しいポイント。
回復・蘇生・補助が高いレベルでこなせる「調合」に比べれば派手さはないが、薬師と噛み合った特性でパーティに安定感を与えてくれる。それが「薬の知識」だ。
「薬師」と相性の良いボス
上記の通り「薬師」は『ドーピングによる準備』が必須のジョブである。『最初から猛攻を仕掛けてくるような相手』よりは、『HPが減ると発狂モードになる相手』や『カウンターが怖く少ない手数で倒したい相手』が向いている。
????(封印を守る者)戦
アビリティは「格闘」。敵は各HP7777だが、3000を切ると発狂モードに入り強力な全体攻撃をしてくる。
作戦はガラフを格闘薬師にして開幕がぶ飲み、他は召喚獣「ゴーレム」等で適当にサポートと回復。準備が完了したら前列にチェンジし、素手攻撃で一気に削りきろう。ちなみに「英雄の薬」でレベル83まで上げれば片手で4000程度出るので、クリティカルが出ずとも一人で一体づつ確実に倒せる。
カーバンクル戦
アビリティは「鞭装備」。敵は魔獣族でHP15000、5000ダメージ毎にパターンを変えてくる。後半ほど即死等の熾烈な攻撃パターンになるので、薬師のドーピングが有効な相手だ。
魔獣族特攻の「ビーストキラー」はエクスデス城内の「モータードライブ」からレア枠で盗める。用意した数だけバッツ→ファリス→クルルの順で同じ装備にし、残りメンバーは白魔法等で適当に回復。魔法攻撃しかしてこないため「プロテス」や「プロテスドリンク」は不要。レベル99の種族特攻で7000を超えるダメージが出せる。回避が高い相手なので鞭の回避率半減も刺さる。種族特攻が刺さらないタイミングでは麻痺が刺さる。ちなみにここまでやらなくても魔獣族なので「なだめる」で完封可能ではある。(追記:種族魔獣時はストップ耐性があるので「なだめる」は刺さらない。)
エクスデス(エクスデス城)戦
敵はHP32768、HPが半分を切ると熾烈な攻撃パターンに変化。これと言った弱点のない強敵なため、安全型と攻撃型の2つを用意した。
安全型の「モーニングスター」は命中90を「ラミアのティアラ」で補いつつ、「両手持ち」で攻撃力を高め後列から安全に攻撃。攻撃型の「格闘」は前列で戦うため「プロテス」が欲しいが、「ヘイスト」もろともエクスデスの使う「ディスペル」で消されるリスクがある。が、レベル99まで上げた際の平均的な打点は安全型の2倍以上。クリティカルが出れば尚更。ちなみに「ディスペル」では「巨人の薬」「英雄の薬」「力の薬」の効果が消されないのも好相性。
ボツ案
「疾風の弓矢」も命中80と低めなので「ラミアのティアラ」で補いつつ、25%発動の「乱れ撃ち」で大ダメージを狙う。期待値を計算したところモーニングスターの方が上回っていたのであえなくボツ。
メリュジーヌ戦
アビリティは「両手持ち」。メリュジーヌの防御90という高防御を「モーニングスター」の防御1/4効果で無理やり突破するやり方。魔法剣「スリプル」+魔法攻撃を使った戦術の方が楽ではあるが、こういう攻略が出来るのもFF5の楽しい所である。ちなみにメリュジーヌ戦で有用な「リフレクトリング」装備中でもヘイストを自身にかけられるのも「飲む」のメリットの一つだ。
その他相性良さげなビルド
ここまで来ると「薬師」で戦うよりは「飲む」を「ナイト」や「モンク」等の前衛職に持たせてやる方が良いか。
倍加したHPの「ホワイトウィンド」で「リフレク」貫通回復。「エアロガ」で攻撃するなら「エアナイフ」を装備しよう。
薬師のアビリティと相性の良いジョブ
薬の知識、調合、治癒、蘇生
使い勝手がほぼ同じアビリティなのでまとめて紹介。「調合」とその知識があれば他3つのアビリティはほぼ必要ないが、「調合」を使わない縛りプレイならいずれもそれなりに役に立つ。
まとめ
ドーピングの手間はあるものの、第二世界から大ダメージが叩き出せる「薬師」。
ボスに刺さるその性能を是非体感してほしい。
*1:「ぜになげ」の自己強化版とも言える